今回の台風もえらいことでした。
被害に遭われた方には、一刻も早い復旧をお祈りしております。
亡くなられた方には、心よりのご冥福をお祈りします。
台風といえば中学生の頃に経験した台風が印象的。
たぶん、1991年の17号か19号台風のどっちかだったと思うけど。
普通車2台がギリギリ離合できる道幅で、歩道と道路を隔てるブロックがなく路側帯だけの「旧国道」と呼ばれていた道が家の近所にあった。ほぼ直線的にのびる長さ数キロに渡って続く一本道。時代と共に道幅が拡張されていったせいか、電柱のほとんどが道路にはみ出ていて、車で走るときには電柱をよけて走らんとあかんようなところで、両脇には道路に面して民家の玄関があるような田舎街の道。
この時の台風が、当時すんでいたところを直撃した初の記憶に残る台風だった。実家の家は、私がいた当時で既に築30年のボロ家。地震でもないのに、家の屋根が飛ぶかと思うぐらい、家がぐらぐら揺れてて。家の前に何本か流れている農業用水路はあふれて道路はちょっとした川状態だったし。おかげで、蓋なしで大きなたらいに飼っていたオタマジャクシは、溢れた水で全部たらいの外へ・・・。
ようやく、台風一過。
次の日、登校するために旧国道を歩くのだけど、なんと、見事に電柱という電柱がボキボキ根元から折れてるの。きっと、台風の突風が何度となく通り道のごとく抜けていったのだろう。折れた電柱が電線に引っかかって電線だけで電柱の重みを支えているような所や、切れた電線の端が道路に落ちていたり。電柱が道路ふさいでたり。目の前の田んぼは、実り始めた米が根こそぎ倒れて、稲穂が地面に着いてしまい農家の被害も甚大だったように思う。近所の測候所では、瞬間最大風速が60メートル近くを記録したらしいと母から聞いたことが記憶に残っている。
台風がすぎてからかなり長い間、いろんな家の屋根にはブルーシートが貼られていた。瓦も飛びまくってたのね。うちも例外ではなく。家の庭に置いてあった大きい鉢植えに植わった木が、近所のどこかの家から飛んできた屋根瓦の直撃を受けてまっぷたつに裂けてたし。
なわけで、1ヶ月近くというか電柱が復旧するまでの間、電気なしで過ごした記憶がある。ついでにいうと、うちは井戸水で電気のモーターで水をくみ上げていたので、台所に引いてある水道だけが唯一の水源で、使うときは洗濯機や風呂やトイレへバケツで水を運んでいた。
今思えば不謹慎やけど、地震以外で電柱が折れるなんて思いもしなかったので、子供心に怖いと言うよりも、台風ってすげぇー!!、風の力ってすげぇ!!、風で電柱が折れるんや!!、という妙な感動があったのを覚えている。おかげで、それ以来、少々の台風が来ても動じなくなった。
でも今は、やっぱり「頼むから来てくれるな!」と思うけど。