いろいろ悩んだ末、退職を決意。
理由は都合よく、健康上の問題で丸く収めることにする。
退職の意向を表明したのは2月23日ごろ。
案の定、毎度の如く1週間過ぎても何の音沙汰もない。本気でやめる気があると思っていなかったのか、まだ口先一つで何とかできるとたかをくくっていたのか。とりあえず、なんでも自分に都合のいいように物事を受け取り、歪曲する人なので、どないなっとんねん!と思い28日に、事業部長をつつく。「会社の規定どおり、希望日の1ヶ月以上前に話をしたので、ちゃんと対応してください」と。
それから、慌てたのか、事業部長とリーダに呼び出されて引止めの説得があった。表向きは健康上の事情でそれもあながち間違ってはいないのだが、根本的な理由はそれ以外にあることは説明。
その後、社長から話がしたいという旨の連絡があった。でもやっぱり案の定、社長が指定した期間を過ぎてもなんの音沙汰もない。期間を過ぎてからようやく話があった。しかも土曜日。えー!なんで土曜日にわざわざ会社に着てまでせなあかんの、と思いつつも、社長が忙しい身であることも承知の上だったので、土曜日に話をすることになる。
思いのほか、引止めの話だった。意外。
この期に及んで引き止めるとは思わなかったが。
先だってに起きた大きなトラブルの直接的原因は自分のミスだったから。
根本的なことも含め、全体を見直すと起こるべくして起きたミスやトラブルではあるのだが、とはいえ、トリガーを引いたのは自分だったことや、その後の社内上層部の態度が明らかに私への非難であったこと、それゆえの風当たりの強さなどを考えると、とてもじゃないが引き止めようなんて考えること自体、笑止千万である。
社長がこれから私に任せたいと思っていたという仕事についての説明を聞きながら、ひとまずその日は、「考えさせてください」ということで話は終わる。その後、健康上の問題が退職の理由ならば、勤務形態や契約形態を考慮するからと申し出があった。
仕事の内容は、「自社コンテンツのテクニカルディレクションをしてほしい」ということだった。ようは、プロジェクトマネージやシステムエンジニアの仕事である。企画をシステムに落とし込んだり、仕様を作ったり、設計をしたり、外注や開発人員の管理をしたり。仕事の内容としては拒否したいものではないのだが、自分の健康を考えた上で、適度な勤務環境が整うとはにわかには信じがたい。というより、そういう部分に関してこの会社のマネジメントや管理や行動力に関して、全く信用が置けないし、信頼も出来ない。それが一番の本音かもしれない。
結局、断ることにした。
今の健康状態で、先だっての案件のようにハードな激務をこなした上にマネジメントするだけの体力が今はないこと、この状況でその仕事を請け負うことは自分には出来ないこと、この会社では、今の体調で自分のする仕事の結果に対して責任は追えないこと、自分で仕事の質に保証がもてないことなどを理由に。
社長も、当時の事業部長も、リーダーも、後になってからは口をそろえて、私の責任だけではなくほかの根本的に抱えている大きな問題があること、私に責任を問うつもりはないという意味合いの事を言いはしたものの、私は、ビジネスにおいては「覆水盆に帰らず」を適用したい。会社として、行った行動や言った言葉は、取り消すことの出来ないものである。その後のフォローは出来るかもしれない。が、今回、自分に関してはそのフォローは受け取るつもりはすでになかった。今更感漂いすぎ。
そのトラブルの時、会社や上層部の私への扱いや態度を見ていたほかの社員が「この会社で失敗やミスをしたらそれは個人の責任として追及される」んだと感じていたことも事実で、その感じ方もあながち的外れではないことを、身をもって体験した以上、仕事は請けれない。
この会社で労働した時間の最低でも3分の1は、ただ働き。この業界の中小企業にいれば、どこの会社に行っても大差はない。大差はないが、必死になって休みや睡眠を削ってした仕事のその後に、達成感や満足感があまりにもなさ過ぎる。下手したら社内の調整が悪すぎたため企画の段階でこけており、開発部門だけではどうにもならない原因で、開発したものの日の目を見ないものもあったり。
ここに就職してよかったことは、スキルの向上を図れたことだ。
それは前向きに受け止めさせてもらう。