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ブログと職業
 かなり遅ればせながら、エキブロ病院の「ご意見お願いします」、および、 bobby さまのmutter awayの「ブログ閉鎖宣言で思う事(2)」にトラバです。

 主観的できつい表現があるかもしれないことは、ご容赦ください。

 人が提出したもの、人が築き上げたもの、人が作ったものに批判や文句や否定的な言葉を投げつけるのは簡単です。でもそれはキャッチボールじゃない。ただの暴投です。
 記事の書き手に責任があるのと同様、コメントの言葉一つ一つにも書き手と同じだけの責任があるのだということを忘れてはならないと思うのです。
 書き手の言葉が人に与える影響を考慮しなければならないのならば、コメントの言葉が読み手に与える影響も考えるべきだと思うのです。

 それが、意思疎通、コミュニケーションというものじゃないでしょうか?



 確かに医者という職業が、一般のサービス業と別モノとして見られるのはわかる。人の命に一番近い場所にいる職業だから。そういう意味での責任感は現場でもって欲しいと、専門外の一般人である私は思う。そして、実際に多くの先生方がそういう思いを持って医療に当たっておられると信じている。

 逆に「聖職」的な扱いをされるあまり、医療の現場が私たち患者となる人間の側から見て、遠く感じたり見えないあまり、不信感が募る事があるのも現実なのだ。そういう意味で私にとって、医療関係者の方のブログというのはより身近に感じることができてとても嬉しい存在だ。けれど、エキサイトに限らずいろんなブログで医療関係者のブログを拝見させていただいていたが、最近閉鎖をされるブログが多いことに非常に残念な思いを隠せない。閉鎖するに値するほど、何か倫理的なラインを超えていたとは思えないものが殆どなだけに、なおさら残念でならない。

しんぞうのおんなのabsinthさまが、「零度の・・・・・」の中で興味深い意見をおっしゃっていた。(勝手に引用させていただいた。申し訳ない。)

現在のところ原因不明だとされているある疾患があるとします。
専門家レベルでは いくつものもっともらしい説が提唱されている。

ある専門家は 遺伝子レベルで その疾患がおきやすい人とそうでない人の違いがあるという。
ある専門家は 親がその疾患をもっていると 子がその疾患に罹る率が高いと 指摘する。
また ある専門家は その人の生活習慣に 関係すると指摘する。
(未婚女性に多い あるいは 既婚女性に多い 大酒のみに多い 雪の多い地方に多い など)
その疾患に罹患している人は 高頻度にあるウィルスに感染している と指摘する報告もある。

この報告を全部聞いて この疾患の原因は なんだと思いますか?
こんなばらばらの 報告じゃ なにがなんだかわからない 私なら そう思います。
この疾患とこれらの事実が どちらが原因でどちらが結果か なんて分からないものね。

 上記のabsinthさまのご意見、これは医者という職業に関わらず同じことがいえるんじゃないだろうか。もちろん、システム屋と医者では、扱うものの重大さのケタが違う。けど、あえて自分の専門範囲で比較させていただく。

 私は、システム開発者だ。有名なサイトや有名な企業の社内システムを手がけたこともある。当然ながら守秘義務があるので、関わった案件の詳細な情報やクライアントが推察できるようなことは書けない。しかし、関わった仕事から学んだ教訓や思いをブログに託すことで、その道のプロでない人たちへ、少しでも見えない世界、遠い世界が身近になればと思うことはある。時には、それはこの業界の印象を悪くするようなことであったり、結果として評価を下げてしまうようなことである場合もある。
 一般的に用いられている手法やシステムにおいて、業界人以外には知られていないバグやセキュリティホールを暴露することもあるだろう。それを語ることで何かを制限されることがあるならば、私はとてつもなく憤懣を感じる。個人ブログとはいえ、公共のネットワークに載せて情報を発信している以上、個人の戯言だ、ではすまないことがあるのもわかる。けど、それを隠すことで、業界を守ろうとする姿勢には納得いかない。

 痛みなくて進歩はない。たまった膿は出さねばならない。私はそう思う。業種ごとにその業界の守りたいイメージや、隠し通したい事柄というのはある。時にはそうすべき時もあるのだろう。が、そのままではダメだと思うとき、少しでもユーザ、クライアント、お客様の側の人々とのコミュニケーションを通して、啓蒙のきっかけになれば、安全対策の助けになれば、困っている人のアドバイスが出来れば、と思うことはある。衆人環視の下に置かれることで、守られる倫理というのも存在すると思う。

 実際に閉鎖された数多くのブログの閉鎖の原因となったコメントや批評を全て見てきたわけではない。とはいえ、それらブログに対して批判的なコメントをする人たちは、そのブログのあり方も、またひとつの意見、ひとつの考え方だと許容できるだけの度量はないのだろうか。もちろん、ネット上で発信される情報が原因で、必要以上の大騒ぎになる事があるのはわかる。それは銀行倒産の噂や、海外での事件のニュースにおいても同じことだ。事実が婉曲されて伝わる危惧は理解できる。
 けど、言われて都合の悪いことは隠そう、言われて都合の悪いことを言う人を潰そう、自らの聖域を守ろうとする、自らの居場所を特別な場所に据え置いて隔離しておきたい、そういう心理が見え隠れするような気がしてならない。都合の悪いことは蓋をしておけ、嫌なことを言うやつは叩き潰せ。そういう体質を抱えたまま進めば、いつかは破綻をきたす。いつかは自滅する。そして、被害者はお客なのだ。実際にそういう体質が招いた事件はいくらでもある。厚生省と薬をネタに検索すれば幾らでも出てくるだろう。情報の囲い込みが逆に不信感を招くのも事実だ。そのような見方をする人間がいる業種なんだ、と。

 書き手が無責任なことを書くべきでないのは当然だ。専門家の立場でモノを語る際、そこに公共性があるのは認める。そういう意味で書き手はその責任を踏まえた上で書く必要があるだろう。それはどの業種でも同じだと思う。そういう意味で、医療関係者が専門家の立場として語る際に自覚するべき責任は、人一倍重いのは確かだろう。
 とはいえ、医療関係者がブログで提供してくれているアドバイスや知識は、あくまで親切心からのサービスだ。それを踏まえた上で受け取るべきだろう。いい加減な情報を提供していると思えば、見なければいい。書かれている事柄をどこまで自分の中で受け入れるかは、読み手の責任だ。読み手は自らの指針に従い、それを受け入れる必要がある。鵜呑みも結構。だが、鵜呑みしたのは自己責任だ。疑わなかったのは自分の責任だ。疑わしいと思えば他の意見を聞くなり、自分で調査することも出来る。ただただひたすら、提供された情報を真に受けるだけなのは如何なものかと思う。それではプロパガンダされているのと変わらないではないか。そこに、己の意思はないのか。そう思う。

 医療を聖職域として不可侵領域にしたがる一部の医療関係者の閉鎖的な態度と、お医者様がおっしゃったことだからと、無条件に鵜呑みにして崇拝に近い正直さで拝する意思のない受け手。両者の都合のいい態度が、少なからず影響しているように思えてならない。

 ブログを続けることに命をかける必要はないかもしれない。精神的に辛くなるのであれば、無理をする必要はない。けれど、個人ブログにおいて、医療関係者の発信する情報は私たち患者となりうる立場の人からすると、貴重な存在であることも覚えておいてほしい。それを喜んでいる人たちが大勢居るということも、応援している人たちが居るということも、忘れないでほしい。
by harvestrain | 2004-09-14 02:31 | ◆戯言の肴は私想
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Since 2004.5.11

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